亜鉛は健康な髪の毛に必須 その働きと効果
髪の毛は女性の命です。いつまでも健康でツヤツヤな髪の毛でいたいですよね。その手助けをしてくれる救世主が亜鉛です。
亜鉛は、16コある必須ミネラル(無機質)の一つで、生きていくために必要不可欠な成分です。体内には、髪の毛はもちろん皮膚や骨など新陳代謝の活発な部分に約2000mg存在しています。
タンパク質を髪の毛へ再構成する
亜鉛はタンパク質にはたらきかけ、髪の毛の合成を促します。そして、亜鉛の本来の仕事である細胞分裂を繰り返して髪の毛に再構成されるのです。
細胞の新陳代謝を促して抜け毛や薄毛を抑制
髪の毛を健康に保つには、まず頭皮から。摂取された亜鉛は、新陳代謝を促して健康な皮膚を保ちます。健康な頭皮を維持できると抜け毛が減っていって薄毛を予防できます。
キューティクルを保護するコラーゲンを作る
キレイな髪の毛にはキューティクルも大切ですよね。実はキューティクルの生成にも亜鉛は関わっています。キューティクルを保護する成分はコラーゲンで、このコラーゲンを作っているのも亜鉛なんです。
頭皮・髪の毛・キューティクルと、健康な髪の毛に大きくかかわる亜鉛。亜鉛が足りていないと健康な髪の毛は育ちません。
肌への亜鉛の働きと効果
年齢を感じさせない肌を保つこともまた女性にとって憧れであり、大きな課題ですよね。
美しい肌を保つためには、新陳代謝を活発にする必要があります。ターンオーバーという言葉はよく耳にするでしょう。これは皮膚細胞の新陳代謝のことをいいます。このターンオーバーが正常に行われないと肌が乾燥して、肌荒れやニキビ肌になってしまいます。
亜鉛は約300種もの酵素の活性化を促す働きを持つのですが、その中の一つに細胞の新陳代謝と深い関わりを持つ酵素があるのです。
亜鉛で活性化された酵素によって細胞の新陳代謝が行われると次のような効果が得られます。
- 健康な肌を作る・・ターンオーバーが正常に行われます
- 傷を修復する・・代謝を促進させ、傷ついた部分の細胞分裂を活発にします
亜鉛が不足するとおこる症状とは
女性の味方、亜鉛は、実は体内で作り出すことはできません。さらに、毎日の食事で亜鉛を摂っていても、体内へのその吸収率はかなり低く、不足してしまう可能性の方が高いのです。
亜鉛欠乏によっておこる症状は味覚障害や免疫力低下が代表的なものですが、髪の毛や肌にも以下のような大きなダメージがあります。
- 抜け毛や白髪の増加、髪の毛が細る
健康な髪の毛を保つためには毛根に亜鉛が必要不可欠です。亜鉛が不足すると毛根の亜鉛がなくなり、髪の毛が細るだけでなく、抜け毛も多くなります。また、白髪も増えてしまいます。 - 髪の毛が伸びにくくなる
タンパク質の細胞分裂を促す酵素が活性化できないので髪の毛が伸びにくくなります。 - 肌が乾燥したりダメージ肌へ
ターンオーバーが正常に行われず、古い角質が取り残されて詰まった状態になってしまいます。そのためニキビ肌や肌荒れが進んで乾燥したりダメージ肌になってしまうのです。
薄毛対策おすすめ!女性に必要な亜鉛摂取量
亜鉛を食事などで摂っても、体内に吸収されるのはその30%ほどです。半分以上が吸収されずにそのまま体外に排出されてしまいます。
しかし、生きていくために必要な栄養分であるため、厚生労働省が『日本人の食事摂取基準2015』の中で亜鉛の1日の推奨摂取量を以下のように提示しています。
- 女性1日の推奨摂取量は9mg・・性別、年齢によってその量は変わります
- 妊婦や授乳中は+2mg~3mg・・胎児や乳児は細胞分裂や新陳代謝が活発に行われその成長が著しく、亜鉛が不足すると奇形や成長障害を引き起こしかねないので、母体への亜鉛摂取が必要になります
亜鉛を多く含む食材と効果的な摂取方法
亜鉛を多く含む食材は魚介類や肉類・大豆製品などです。体内にはなかなか吸収されない亜鉛ですが、ビタミンCやクエン酸・動物性タンパク質と一緒に摂るとその吸収率は高まります。
逆に、吸収を阻害する成分もあります。藻類などの食物繊維はミネラルを吸着して排出してしまいます。穀物や豆類に含まれるフィチン酸、インスタント食品に多く使われている添加物のポリリン酸もミネラルとの結合力が強いため体内への吸収を阻害します。
また、コーヒーなどの苦み成分であるタンニンや緑黄色野菜に含まれるシュウ酸も同様です。
牡蠣
100gあたりの亜鉛含有量は13.2mgです。食品の中ではダントツに亜鉛を多く含む食材です。牡蠣は生でもフライでも、レモンを絞って食べると亜鉛の吸収率は高くなります。
レモンにはクエン酸もビタミンCも含まれていて、クエン酸にはミネラルを包み込み一緒に吸収する『キレート作用』があり、ビタミンCは『キレート作用』を強めるはたらきをします。
煮干し
100gあたり7.2gの亜鉛を含みます。煮干しといえば味噌汁などの出汁をとるくらいしか思いつきませんよね。それではあまりにも含まれている亜鉛が不憫です。
煮干しを粉末にして、ゴマや海苔と合わせてふりかけにすれば子どもでも摂取しやすい亜鉛含有食材になります。ご飯のおかずに卵焼きや豚肉の生姜焼きなど動物性タンパク質のものを食べると煮干しに含まれる亜鉛の吸収率もアップします。
豚レバー
100gあたりの亜鉛含有量は6.9mg。レバーは好き嫌いが分かれるところですね。レバーの臭みや食感が苦手なら、野菜と一緒に甘辛く炒めると気にならなくなります。酢を足して甘酸っぱく仕上げるのもおすすめです。クエン酸のキレート作用も期待できます。
薄毛への効果を期待するなら 亜鉛とノコギリヤシ
ノコギリヤシは北米からメキシコに生息するヤシ科のハーブの一種です。精子に栄養を運ぶ健康維持効果を持っていて、男らしさを保つ成分が特徴です。
また、ノコギリヤシの成分には脱毛を引き起こす酵素を抑制するはたらきもあり、亜鉛とノコギリヤシを一緒に摂ると育毛の相乗効果が得られます。
亜鉛・カルシウム・マグネシウムの効果ととり合わせ
亜鉛・カルシウム・マグネシウムは身体に必要不可欠な必須ミネラルです。
全てを一緒に摂取するとよいのかというと、そうともいえません。これらの必須ミネラルを摂取するために注意しなければいけない点は次のとおりです。
- 亜鉛とカルシウムは同時にとらない
少量では問題ないのですが、カルシウムの摂取量が大幅に増えると亜鉛の吸収が阻害されてしまいます。 - マグネシウムとカルシウムは相乗的に吸収率を高める
マグネシウムはカルシウムの吸収を助けるので一緒に摂ると相乗効果を得ることができます。 - マグネシウム:カルシウム=1:2
カルシウムには気持ちを落ち着かせる効果があり、マグネシウムにはこわばった筋肉を緩める働きがあります。これらを最適な比率で摂取するとより効果が得られやすいのです。
育毛効果にマイナス要因になること
近頃では生活様式も欧米化して亜鉛を無駄に消費するできごとが多くなってきています。
次にあげる生活習慣は、亜鉛を著しく消費します。
- アルコールの過剰摂取
- 喫煙
- ストレス
- インスタント食品の多用
すっかり定番となったインスタント食品や大量のアルコール摂取はなるべく控える方が髪の毛のためです。また、喫煙は特に百害あって一利なし。そのために薄毛になってストレスを抱えるなんて、笑い話にもなりませんよね。
ストレスも抜け毛や薄毛の原因となります。少しでもストレスフリーな生活を心がけることが育毛への近道です。
亜鉛の過剰摂取は逆効果 体への悪影響とは
現代社会の生活事情により、食事からだけでは過剰摂取になることはなく、むしろ不足しやすい亜鉛ですが、サプリメントで摂取する場合には摂り過ぎに注意しなければなりません。
亜鉛の1日の摂取上限と、過剰摂取による人体への副作用は以下のようになっています。
- 1日35mgが上限
- 発熱や頭痛
- めまいや貧血
- 嘔吐
- 胃痛
まずは自分が亜鉛欠乏症であるかどうかをきちんと見極めて、サプリメントを摂取するなら用量を守ることがとても大切なんです。