血糖値はストレスで上昇する?その関係と対処法 |

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血糖値はストレスで上昇する?その関係と対処法

ストレスからの血糖値上昇はホルモンが関係

ストレスを感じるとさまざまなホルモンがブドウ糖を増加させてしまうために、血糖値が上昇します。

さらに精神状態の悪化から過食飲酒が増え、さらに血糖値を上げてしまうという悪循環に陥ることがあります。

ストレスから身を守るためにホルモンが分泌

ストレスを受けるとコルチゾールというホルモンが分泌されます。このコルチゾールはストレスをコントロールしてくれるだけでなくさまざまな栄養素の代謝に影響しているとても大切なホルモンです。

しかし、このコルチゾールは筋肉中のタンパク質をブドウ糖に変換する作用を促進する働きがあり、これにより血糖値を上げます。

また、インスリン抵抗性をもつので血糖値を下げてくれるインスリンの働きを抑制してしまうため、過剰に分泌されると血糖値を上昇させすぎてしまうのです。

血糖値を下げるホルモンはインスリンのみ

上がってしまった血糖値を下げることが出来るのは、すい臓から分泌されるインスリンというホルモンのみです。インスリンの作用によってブドウ糖は肝臓や筋肉組織、脂肪組織に取り込まれます。また、ブドウ糖の放出の抑制もしてくれるために血糖値を下げることができるのです。

5種類の血糖値を上げるホルモン

・成長ホルモン
基本的に血糖値は食事をすると上昇するもの。食事をとらないと血糖値が下がってしまうのですが、成長ホルモンは血糖値を一定に保つためにグリコーゲンという物質を分解し血糖値を上げます。また、インスリンの作用を抑制する効果もあります。

・甲状腺ホルモン
肝臓内に貯蔵されているグリコーゲンの分解を促進することで体内の脂肪やタンパク質をブドウ糖に変える働きを促進します。

・グルカゴン
血糖値が低下することですい臓から分泌されるホルモンで、インスリンとは逆の働きをします。グリコーゲンを分解して血糖を作り出し、グリコーゲンが不足すると体内の脂肪やアミノ酸を血糖に作り替えます。

・アドレナリン
アドレナリンが分泌されると肝臓が刺激され、グリコーゲンをブドウ糖へ分解する働きが促進されます。また、インスリンの働きを抑制する効果もあります。

・コルチゾール
ストレスに対処するために分泌されるホルモンで、筋肉や脂肪を分解してブドウ糖に変える働きがあります。また、インスリンの働きを抑制する効果もあります。


睡眠不足などのストレスも血糖値上昇に

ストレスには様々な種類があります。

それぞれのストレスは血糖値とどのような関係があるのでしょうか。

風邪や睡眠不足といった物理的ストレス

睡眠不足になると体内時計が狂い、血圧や血糖値の上昇を招きます。また、血糖値を下げるための唯一のホルモンであるインスリンの効果が低下してしまうため血糖値が上がってしまいます。

仕事や人間関係の精神的ストレス 

 

精神的なストレスを感じると血糖値を上げる作用のあるアドレナリンやコルチゾールなどが過剰に分泌され、血糖値が上がります。また、インスリンの効果を抑制してしまうため、血糖値が下がりにくくなります。

継続的なストレスは自律神経失調症に

インスリンの分泌は自律神経を介して行われます。そのため、自律神経失調症になり自律神経の乱れが生じるとインスリンの分泌が正常に行われず、血糖値が下げられなくなってしまいます。

糖尿病から高血圧やうつなどにも

糖尿病になり、血液中のブドウ糖濃度が高くなると細胞外の血液量が増加します。血液の量が多くなると、その分血液を送り出す役割を果たしている心臓に負担がかかります。そのため、糖尿病の人の40%~60%の人は高血圧を併せ持っているといわれています。

また、うつ病と糖尿病の関係性は非常に密接だといわれています。糖尿病患者の実に30%もの人にうつ症状があるといわれており、原因は食事制限などの厳しい自己管理長引く治療だといわれています。


ストレスで血糖値があがると糖尿病になる?

糖尿病といえば甘いものや脂っこいものの食べ過ぎや運動不足など不摂生が原因となるイメージが強いですが、ストレスも原因のひとつです。

ストレスで糖尿病を発症してしまうメカニズムとはいったいどんなものなのでしょうか。

強いストレスから糖尿病の発症率が45%上昇

ドイツのミュンヘンヘルツホルムセンターの研究調査によって、強いストレスを感じている人の糖尿病発症率が45%も高くなることが判明しました。

ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾール

コルチゾールはストレス低血糖に反応して分泌されるホルモンです。

糖、たんぱく質、脂質、骨など人体を構成している物質の代謝や免疫に関わる生命維持のために非常に重要なホルモンなのですが、増えすぎてしまうと体中のホルモンバランスが崩れ、肌や細胞の老化や肥満、うつ病の原因となります。

インスリン抵抗性

上がってしまった血糖値を下げるために分泌されるインスリンですが、インスリンの働きを妨げる物質が体内で増えてしまうと筋肉や肝臓が血液中のブドウ糖を取り込むことができず、血糖値を下げることができません。コルチゾールにもインスリン抵抗性があります。

コルチゾールが糖尿病へと導く

コルチゾールは血糖値が低くなると分泌されるだけでなく、過度なストレスを感じると多く分泌されます。筋肉や脂肪をブドウ糖に分解することで血糖値を上げ、インスリン抵抗性があるためインスリンの働きを阻害します。

そのため、血糖値を下げることができなくなり、糖尿病を招きます。

コルチゾール増加を防ぐにはストレスコントロール

コルチゾールの過度な分泌を抑える対処法としてストレスコントロールがとても大切です。耐えるのではなく適切に対処できるようになる、ということです。


ストレスからくる血糖値改善対処法

糖尿病の原因となってしまうストレス。ストレスを溜めないためにはストレスの原因に気づくことが大切です。

自分にとってのストレスとなる事柄を回避しつつ、うまく付き合って溜めすぎないようにしましょう。

環境を変えてみる

ストレスの原因が職場の人間関係や、家族など周囲の人間から与えられるものである場合、環境を変えることでストレスから解放される可能性が高いです。

運動や休息を取る

現代人でストレスを強く感じている人はほとんどが運動不足なんだそうです。運動によって気晴らしができますし、体が温まることでリラックス効果を得ることができ、程よい疲れで夜も安眠できます。

睡眠は1日のストレスをリセットできる大切な習慣ですので、睡眠不足にならないようにしっかりと眠るようにしましょうね。

趣味や腹式呼吸でリラックス効果

ストレスへの対処法として、ストレスを軽減してくれる物質を分泌するのは大変効果的な方法です。自分が楽しいと感じることのできる趣味にいそしむことでストレスを解消することができます。

・ドーパミン(快感物質)
ドーパミンは人間が快感を感じたときに出る物質で、やる気や積極性が向上しプラス思考になります。芸術を楽しんでいるときや、スポーツ、カラオケ、イベントやお祭りなど楽しい行事に参加した時にもドーパミンは多く分泌されます。

・セロトニン(リラックス物質)
セロトニンはリラックスした時に出る物質で、イライラしなくなり穏やかに過ごすことができます。食べているときや入浴、音楽や映画鑑賞、森林浴や日光浴などもセロトニンを分泌する効果があります。

我慢して溜めこまない

ストレスの大きな原因は我慢をしてしまうこと。言いたいことを言えなかったり、やりたいことができなかったり、他人に頼まれたときに「NO」が言えなかったり。そんなことに身に覚えはないですか?

我慢せずに自分の思った通りに動けるようになることがストレスを溜めないための近道です。

医師や専門家への相談も

日々のストレスによって心身共に不調を覚えるようになったら、無理をせずに専門の医師へ相談してみましょう。話を聞いてもらうだけでも気持ちは軽くなりますよ。

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